この夏から5thシーズンに突入した<LifestyleDesign.Camp>。
9月は「理想の空間&環境インフラのつくりかた」である〈スペースデザイン〉のメソッドをじっくり解説してきました。
今月は〈ボディー & メンタル・デザイン〉。
生きるため、働くための「インフラ」である体と心のメンテナンスがテーマです。
大好きなこと、本当にやりたいことをするため、そしてライフテーマをやり遂げるためには、高い集中力とパフォーマンスを維持し続けないといけません。
そのために「体と心をできる限り健康に保つ必要がある」ということは、みなさんご存じのことでしょう。
人生とは、長いながい山旅のようなもの。
「夢や目標の達成」だけでなく、到達するまでの道のりすべてを味わうことが重要。
つまり、「目的地」までのプロセス自体を楽しみながら生きるべきなのです。
でも実は、人生の「ゴール」なんてものは存在せず、ずっと「山道」が続く。
その道は時に険しく、時に美しい景色を見せてくれる。
そして、その道は一本ではなく、何本も存在し、人それぞれまったく違う。
ある一定期間を一緒に歩くビジネスパートナーな仲間がいたり、長い距離をともに歩くパートナーや家族もいれば、交差点で瞬間的に遭遇する人もいる。
自分のペースで、なるべく心地よく歩き続けることこそが「生きること」。
これは、ぼくがもっとも大切にしている人生哲学です。
禅問答のようでわかりずらいかもしれませんね☺️
ぼくがプロデュースに携わったシンガーソングライター絢香がデビュー1年目に放った言葉がわかりやすいです。
(デビューアルバムでいきなりミリオンヒットしたことを受けてのインタビュー)
インタビュアー:おめでとうございます。いきなり夢が叶いましたね。次の目標を聞かせてください。
絢香:ずっと歌い続けることです。
😉✌️
●一歩一歩を楽しんで生きる
ぼくが、幼少期から続けていて、今では仕事にもなっている「登山」を例に、今回のテーマを考えてみましょう。
ゴールを「山頂からの絶景」だけにして、道中で無理をすると、
体がボロボロになり、心の余裕がまったくない状態に陥ります。
途中の美しい自然風景を楽しむ気持ちになれず、
「つらい」「苦しい」と足下だけを見て歩き続けてしまう。
過酷な山道や岩壁をなんとかよじ登り、心身ともにヘトヘトになってようやく山頂にたどり着いた瞬間、その場にへたり込む……という楽しさも感動もない登山になってしまいます。
さらに、
そのように苦しみながら登っても、頂上で視界が晴れているとは限りません。
厚い雲で何も見えない......。
多雨多湿の日本では、実際にそういった事態が五分五分の確率で起こるのです。
雄大な大自然の中を苦労して歩き続け、
途中の美しい景色を見過ごした上に、
たどり着いた山頂からの景色も味わえない、なんと悲しいことでしょう。
もっと言うと、
ギリギリの状態で登頂しても、下山という全行程の残り半分が待っています。
遭難の大半は、下山時に起きていることをご存知でしょうか。
山頂にたどり着いたとき、
精魂を使い果たし、体調も最悪であれば、その山登りは失敗です。
「苦労や我慢をして無意味な代償を払う、ただ登頂するだけの登山に、意味はなし」
なのです(これぞ、まさに化石化した昭和初期の思考🙅♂️)。
登山は、山頂からの景色だけでなく「途中のすべての情景も楽しむべき」です。
すると、ゴール(山頂)からの絶景が見えなくても、その登山自体に意味を見いだせるようになります。
もうおわかりですね。
「人生もまったく同じ」です。
これは、山道を歩き続ける「バックパッキング登山」を、ぼくがライフワークとして追求しているからこそ断言できることでもあります。
(2冊の著書を出してしまうほど本気でやってきた →『バックパッキング登山入門』&『パッキング登山紀行』!)
人生は「登頂と下山」だけではないですよね。
日本の自然形態において、
富士山のような「登って降りる」という独立峰はすごくまれです。
実は、90%以上の山が「山脈」に存在しています。
つまり、
1つ目の山の頂のすぐその先には別の山があり、その先にもずっと山が続くのです。
ぼくが傾倒してきた「バックパッキング登山」とは、そういった山々が連なる山脈を何日間もかけて(時に2週間かけて約40峰を踏破することも)一気に歩き通すスタイルの登山です。
1つ目の山頂(目標)に到達して少しばかりは休憩できたとしても、そこにずっといられるわけではないですよね。
また、次の山を目指して歩き出さないといけません。
山々が連なる山脈を踏破する山旅(=バックパッキング登山)なので、1つ目の山から降りて「登山の終わり」ともならないのです。
つまり、「ずっと歩き続ける」ということになるわけです。
まさに人生です。
そう。「ゴール」はなく、「道」はずっとずっと続くということ。
もうひとつ。
ぼくがニュージーランドへの移住に費やした15年間を例にあげてみましょう。
15年の長いながい道程で・・・
睡眠不足やジャンクフード食で肝臓を壊す。
日々の不摂生が原因で、運動時に膝を痛めて再起不能となる。
過度のストレスで心のバランスが崩壊し、慢性的に鬱状態になる。
仮にそんな状態で15年間を過ごし、ニュージーランドへ移住したとしても、
それは幸せなことなのでしょうか。
大好きな畑仕事や庭仕事ができない。
山の向こうにある秘密の湖まで歩いていけない。
カヤックで波を越えて外洋に出れない。
大きくて美味しい巨大ヒラマサを釣ることができない。
近くの海でイルカと一緒に泳げない。
夢が叶ったのに、体と心が整っていないと、幸せに暮らせないのです。
つまりNZでやりたかったことができないことになります......。
はっきり言います。
体や心を完全に壊してまで手にする目標や夢に、本当の価値はありません。
「夢が叶う」というのは「人生のゴール(=終着点)」ではなく、
「人生の本番のスタートライン」に立つことである。
ぼくは、声を大にしてそう言います。
NZ移住が叶ったぼくは、今まさに「人生の本番」を生きています。
ちなみに、(人に華々しいと言われるw)レコード会社プロデューサー時代は、ぼくにとって「準備期間」に過ぎないのです(でも、音楽とアーティストとは本気で向き合いました✌️)。
そして、夢が叶ったあとの「人生の本番」にこそ、健全な体と心という「インフラ」が必要なのです。
道中の一歩一歩を楽しむことができれば、あなたのモチベーションも集中力も必然的に長期間維持され、パフォーマンスが上がります。
すると、その「夢」の実現性も高まるのです(ときに早まることも!)。
そして、
肉体的な健康は絶対ですが、メンタルの健康も絶対です。
もし、あなたがワクワクして楽しんで何かをしている時は、
もっとも集中力が高まり、クリエイティブな状態にいます。
理想的な「アーティスト状態」にいるわけです。
そうすると、
体だけでなく、脳も高いパフォーマンスを維持できるようになります。
その状態を手にするための「基礎」としてお伝えしたのが、
先々月と先月の〈ノイズレスデザイン〉と〈スペースデザイン〉。
繰り返し書いてきましたが、
まずは、空間、情報、思考、人間関係のノイズを徹底的に除去します。
その次に重要なのが、
「心と体からノイズを除去し、あなたという生命体の純度を高める」こと。
ちなみに、これは「自分100%」を目指すための基礎であり土台。
そのために体と心のメンテナンスが必要なのです。
それは、ぼくが普段口酸っぱく言い続けている「自分自身を徹底的に大切にすること」にも通ずることでもあります。
今週は、「自分を〝徹底的〟に大切にする」もっともベーシックな考え方〈ボディー&メンタル・デザイン〉の重要性をお伝えします。
これはぼくが長い年月をかけ極めてきた分野であり、もっとも得意とするフィールドです!
●サステナブルな〝ジブンインフラ〟をつくるために
「自分を、何よりも、誰よりも、とことん大切にする」
この言葉を聞いて、あなたはどう思いますか?
「自分を大切にする」というと、
「まわりに迷惑をかけて自分勝手に生きる」だと曲解する人が多くいますが、
それは完全に間違いです。
ぼくは、体と心という「人生インフラ」、
そして日々の生活習慣という「ライフスタイル・インフラ」を整えることから、
自分を大切にする第一歩が始まると考えています。
一度しかない人生を最高のものにするために、これは絶対です。
たとえば…、
心から愛してやまない仕事で圧倒的な成果を出す!
プロジェクトで驚異的なクリエイションを生み出す!
ずっと歩きたかったロングトレイルを踏破する!
小さい頃から追い続けてきたあの巨大魚を釣り上げる!
人生の夢を実現するためや、成し遂げたいライフワークをやり抜く!
ために、、、、
「農薬や添加物」といった体が消化分解できない化学物質が少なく、「栄養バランス」の取れたちゃんとした食事をとる。
(この2つは残念ながら日本はトップの使用量です)
「7時間以上の睡眠」と「定期的な休息日」をしっかり確保する。
(残念ながら、日本人は世界一睡眠時間が短く、休みを取りません)
「セルフケア」や「運動」の時間を日常的に確保して体と心を整える。
(ご存知のとおり、日本では自分のことを大切にするという発想はあまりありません)
といったことが必要になるのです。
ぼくは、人として営むべき当たり前の生活習慣を「ライフスタイル・インフラ」と呼んでいます。
レコード会社のプロデューサー時代、部下とチームメンバーに
「ぼくら(ビジネスパーソン)には、アスリート並みの体調管理が必要だ」
と本気で伝えていました。
(そして、みんなどん引き・笑)
なぜなら、音楽アーティストをプロデュースすることは、
「分単位」で、アーティストの人生を決定づける判断や決断に迫られるからです。
不健全な状態では判断力や思考能力が下がるだけでなく、もっとも重要な直感力も鈍ります。すると、誤った判断をしてしまう可能性が高まるのです。
間違った決断は、
アーティストの一生を狂わせ、部下のキャリアをマイナスの方角に導きます。
当然、自分の人生にも大きな悪影響を与えてしまうのです。
そんな状況は避けなければなりません。
だから、ぼくはレコード会社時代、「健康オタク」とまわりからバカにされるほど、「ライフスタイル・インフラ」の構築にかなりの労力とお金を費やし、体と心のメンテナンスを徹底していました。
(ニュージーランドの湖畔の森での生活は、さらにバージョンアップ🌼)
実は、ぼくがヒットを継続的に生み出せた理由の半分は、ここにあるのです。
「自分をとことん大切にすること」は、
決してエゴイスティックに生きることではありません。
最高のパフォーマンスを維持していると、人生の景色がどんどん美しくなります。
あなたの顔つきと目は輝きを増し、暮らしと仕事は驚くほどいい方向へ導かれていきます。
そして、
そんなあなたが放つクリーンエネルギーがまわりを浄化していくのです。
1人ひとりがそんな生き方を追求し続けていくことで初めて社会に、他人に貢献できます。
つまり、「個人が、社会や世界を、より美しくしていくことができる」ということ。
ぼくはそう信じて日々の活動を続けています。
「最高の自分(=アーティスト状態)」で生きることこそが、あなたが関わる人や組織、そして社会を幸せにします。
つまり、本気になって自分をとことん大切にして生きることこそが「最大の社会貢献」となるのです。
今月は「ライフスタイル・インフラ=整った生活圏と生活習慣」を心掛け、安定した「人生のインフラ=心と体」を得るために行動してみてください。
そして、「自分を大切にすること」の本当の意味を、ぜひ実感してみてください。
自分を本気で大切にすることこそが、最大の社会貢献なのです✌️
バックパッキング登山も、人生もまったく同じ。
いきなりスピードを上げたり、極端な行動をしたりしても、決して長続きしません。
多くの人が陥りがちな状況ですが、残念ながら長期的にうまくいくことは(絶対に)ありません。
厳しい言い方をすれば、
その非効率な行いの繰り返しでは、結局ずっと人生は変わらないまま、低パフォーマンスのままで終わってしまうことになります。
大切なのは、瞬発的な頑張りではなく、
習慣化するための工夫を徹底し、「継続」することです。
地球資源や自然環境への姿勢と同様に、
「サステナブル(=持続可能)」であることが重要になのです。
===================
いかがでしたでしょうか?
来週からはいよいよ「ライフスタイル・インフラ」を整えるための三大要素、
「食事・睡眠・運動」に関する具体的な最新メソッドをお送りします。
今週のワークは、次週以降の準備として取り組んでみてください。
【今週のワーク】
1.心と体を整えるために意識していること、習慣にしていることはありますか?
ぜひ、シェアしてください!
2.あなたの夢が叶ったとき、どんなことをしたいですか? そのためにはどんな心身のメンテナンスが必要ですか?
妄想するイメージで、目指すところから逆算して考えてみましょう!^^
3.ちゃんと、寝てますか?
多くの人が軽視しがちな健康習慣のひとつとして、「睡眠」があげられます。忙しいとついつい、睡眠時間を削りがちですが、これは絶対だめ! まずは、自分の睡眠時間を自覚してみてください^^
4.恒例のフリースタイル投稿!
1〜4をすっ飛ばして、ぼくの投稿を読んだ感想や「ひとことコメント」も大歓迎です!