長野県松川村で米農家をしてます@さっぴ/高橋早紀 です🌱



異常気象や社会情勢が悪化する中で
今こそ食料の自給自足を多くの人に始めてほしいと思い、投稿します。



自給自足始めてみたいけど、どんなことから始めてみたらいいかわからない、
いつか自給自足を始めようと思っている方の参考になったら嬉しいです♪









【自給自足のメリット】




・自給自足は心身ともに健康
   
正直  スーパーや直売所などで売っている野菜はどんな農薬や化学肥料を使っているか        わかりません。日本のスーパーにはゲノム編集トマトの販売なども始まっていますが、日本の食品表示法は省略できる表示が多くあり、信用できる食品を選ぶことは難しいです。
信用できる食べ物は、信用できる農家から直接買うか、自分で作るしかないです。

自分が暮らしている土地で、手間暇かけて作った野菜は本当においしいです。
その土地の自然の恵みからとれる作物をいただけば、身体も心も元気になります。



・地球に優しい

 自分の畑から食べ物を収穫すれば、
プラスチック包装資材や、運送にかかるCO2排出量の削減につながります。



・災害に備えて

災害が起き、買いだめや物流が止まってスーパーから食品が消えたとしても、自分の畑に食べ物があれば生き延びれます。


・食糧危機に備えて

 日本の食料自給率は38%です。(農林水産省2023年度データより)
 ほとんど輸入に頼っています。
       
 そしてその38%の食料を作っている農家の70%は65歳以上です。

 日本の農業情勢は悪化する一方なので、後継者になる人がおらず
 農家はどんどん減っています。
       
   
・野菜の種子、化学肥料はほとんど海外依存

 とても悲しいですが農業界では有名な言葉
 『種を制する者は世界を制す』と言われているように種子会社による種子支配の問題が危惧されています。
なので今から自給自足して種をしっかり引き継いでいかなければいけません。
うちの地域では、仲間が自家菜園で育てた作物の自家採種をして(種苗法に違反しない品種)交換し合うことも行っています。うちではお米、豆、麦、雑穀、野菜などできる範囲で自家採種しています。
   


・ミニマム・ライフコストをさげる

    食べ物を自分で自給すれば生活費が下がります。



【デメリット】

・時間と労力を使う

確かに時間と体力は使いますが、
自然とつながって自分や家族の食べ物をつくるということは
大変さ以上の学びや喜びや幸福感があります。





自給自足はやろうと思えば簡単です!!

プランターでトマトの苗1本から
畑やベランダがない方は手作り味噌から
今の自分のライフスタイルに合う自給自足を始めてみてはいかがでしょうか。




例として高橋家の自給自足を紹介するので
参考にしてみてください♪






【まずは野菜の自給】



こんな偉そうなことを言っておきながら
まだ自給自足は8年目なのですが

色々作ってみて
ここ2年くらいは農業も拡大して
野菜畑にそんなに手がかけれないので
本当に最低限の家族が食べたい野菜だけ作っています。


【高橋家家族3人】
トマト、ナス、きゅうり、オクラ、ゴーヤ、シカクマメ、ニラ、ズッキーニ、しそ、バジル、枝豆、人参、かぼちゃ、じゃがいも、スイカ、大根、カブ、玉ねぎ、菊芋、ポップコーン









unnamed (16).jpg 918.65 KB↑保育園終わりに毎日息子と一緒に野菜収穫をしています。
その日の夕飯で使う食材は直前に収穫します。

unnamed (20).jpg 787.86 KB↑種をつないで6年目のきゅうりと、高橋家のお米(麹)と大豆で作った手作り味噌。








unnamed (3).jpg 841.9 KB↑ポップコーンは子供のおやつに最高です。
『お腹すいたー』って言われてから、5分あれば作れてゴミも出ないので
最高のおやつです♪



・枝豆やカブなどは数回に分けて種まきをして、収穫期にずっと食べれるようにしています。

・じゃがいもは8kgの種芋を植えて、家族一年分とおすそ分けする分を作っています。
3月末に植えて、7月中旬に収穫をして、その次の年の5月くらいまで芽かきを2回くらいして食べています。化学肥料を使わず健康的なじゃがいもをつくれば保存がききます。

・トマトやナスは育苗するのが少し難しいのと、春の農繁期にそんなに野菜に手をかけられないので苗を知り合いの農家から買っています。苗はホームセンターでは買わずに、地域の農業資材店などで購入するのがおすすめです。

・きゅうりは種を引き継いで6年目になりますが、種は地域の気候を記憶すると言われていたり、同じ種を大切に栽培して引き継いでいくと野菜にどんどん愛情や感謝がわいてきて、高橋家専用の唯一無二のきゅうりになっています!うちのきゅうりは薬です(笑)

・ポップコーンはおやつにおすすめです。スーパーで販売している海外産のポップコーンは遺伝子組換えの心配もあるので、作るのが一番です。

・自分が自給自足をしていると自給自足をしている仲間が集まります。
    育ててない野菜は地域の仲間と物々交換します。



私は竹内孝功さんの自然菜園方式で自給分の野菜を作っています。
竹内さんの自然菜園は農薬や肥料を使わずに、相性のよい野菜(コンパニオンプランツ)を混植して、草や緑肥なども活かしながら、野菜を育てます。
具体的には草マルチといって、草を刈って野菜のまわりにしいて米ぬかやお米のとぎ汁をかけて、土を育てながら野菜をつくる自然農法です。

畑がない方はコンテナで育てる野菜作りからはじめてみてはいかがでしょうか。

unnamed (25).jpg 1.89 MBunnamed (31).jpg 49.83 KB


【次は穀物の自給】



高橋家では
米(コシヒカリ、ササニシキ、もち米)
豆(大豆、黒豆、小豆)
小麦
大麦
雑穀(もちあわ、もちきび、たかきび、えごま)
自給しています。


unnamed (7).jpg 272.18 KB
unnamed (21).jpg 163.45 KB


unnamed (19).jpg 401.51 KB↑タカキビ




・小麦、大麦、雑穀は栽培収穫は簡単です。難関は収穫後の脱穀調整です。
専用の道具が必要になるので、地域の農家さんに道具を借りるか、地域の仲間で共用の道        具を手に入れるのもいいかもしれません。高橋農園では雑穀栽培教室を開催しています。参加者は、自分の畑で採れた雑穀などを高橋農園が持っている道具で調整することができます。

・大豆は味噌、醤油の原料にも使えますし、食卓に大豆のおかずを増やすことによって良質なタンパク質がとれてお肉や魚を消費する量を減らすことができます。
大豆の栽培は簡単です。10kg程度なら脱穀調整も人力でなんとかなります。

・米!米の栽培は食べ物の中で一番自給難易度が高いです。    
でも米はすごいですよー!楽しいですよー!学びが一番ありますよー!
無農薬の田んぼは毎年生き物が増えていって、毎年新しい発見があり飽きないです。
手間暇かかる分、自分で育てたお米を食べた時の感動は大きいです。

まずは近くの米づくり体験などに参加してみたり、米農家のお手伝いにいって、
経験を重ねるのがいいかと思います。
高橋農園で米づくり体験(田植え、生き物観察、稲刈り・はぜかけ)もやっていますので    ご興味あればご参加ください。



【次は調味料の自給】


高橋家では
味噌
醤油    を原料から自給しています。

(ケチャップ、みりんを作っていた年もありました。)



味噌
unnamed (26).jpg 181.76 KB↑村の加工場で麹から手作り。お米も高橋農園無農薬米。
unnamed (15).jpg 229.67 KB↑高橋農園の米、大豆を使い味噌作りワークショップunnamed (29).jpg 199.19 KB↑茹で上がった大豆を袋に入れて足でふみます。



地域の仲間数人で村の加工場を使い
高橋農園の無農薬米で麹をつくり、
高橋農園の無農薬大豆、そして天日塩で味噌を毎年仕込みます。

その他にも年数回、高橋農園のリピーターさん向けに
高橋農園の米、大豆を使い味噌作りワークショップを開催しています。

味噌仕込みは簡単で半日あれば(麹作りから始めると3日)1年分の味噌を仕込めるので、興味ある方はチャレンジしていただきたいです。



醤油

unnamed (9).jpg 384.34 KB↑手作り樽醤油
unnamed (27).jpg 230.72 KB↑仕込んだ醤油をしぼる作業
unnamed (28).jpg 174.02 KB↑できたて生醤油


醤油も地域の仲間と一緒に自給しています。
醤油用の麹は、味噌用の麹に比べつくるが難しいので、高橋農園の無農薬小麦と無農薬大豆を持ち込んでプロの麹屋さんにお願いしています。
出来上がった麹に天日塩と山の湧き水を加え、混ぜ合わせると仕込みの完了です。仕込み時期は3月です。
その後月に一回ほど手入れをして、晩秋には熟成したものを搾ることができます。

醤油の自給は、難易度が高いです。





【続いて自然からの恵み】



春は山菜、野草をいただき

初夏は梅の木があるので、梅干しや梅シロップ、梅酒をつくります。

秋はカキやナツメの木があるので、生で食べたり食べきれない分は人にあげたり干して冬中のおやつにしています。

今年やっと土地を購入したので、食べられる木を未来のためにもどんどん植えていこうと思っています。   

unnamed (24).jpg 293.77 KBunnamed (17).jpg 1.22 MB


【その他】


・へちま
へちまを栽培して、へちまスポンジを作っています。
我が家では、食器洗い用のスポンジ、お風呂掃除用のスポンジとして使っています。
使うたびにマイクロプラスチックがでる市販のスポンジと違い、エコです。

へちまスポンジは汚れてきたら、キッチン周りや排水溝を掃除して最後はコンポストにいれて土に還します。


・ハーブ
ハーブは1年目種をまけば、2年目以降自生してくれる種類も多いので楽です。
私はカモミールとホーリーバジルが好きです♪
風邪予防や精神安定にもこの2つのハーブはおすすめです。

・化粧水
今は作ってませんが、ゆずの種で化粧水やハーブで手作りコスメを作っていた時期もありました。

・卵
鶏は飼っていないのですが、物々交換で卵を手に入れてます。
農園から出るお米や雑穀のクズやぬかなどと、卵を交換しています。
信頼できる自然養鶏農家さんが地域に居てくれることで実現しています。


unnamed (30).jpg 82.01 KB







現在の高橋家の自給自足生活の様子はこんな感じです。
なにか一つでもやってみたいな♪って思ってもらえたら嬉しいです。

私が自給自足を始めたきっかけは世界一周をして肌で地球環境の危機を感じて
今すぐ地球に優しい暮らしがしたいと思い、すぐ長野県に移住して自給自足生活を始めました。

でも今は自給自足生活が豊かで幸せなので続けています。
地球に優しい農法で想いを込めて作った農作物は、スーパーに売っている食材と味もエネルギーも違います。
天地のエネルギーと人の想いがこもった食べ物をたべると、元気が出て生きる気力がみなぎってきます。


ぜひ地球のためにも♪
自分のためにも♪
自分ができる自給自足を始めてみませんか?



※食の自給自足について、なにか質問があればコメントください♪






unnamed (18).jpg 1.37 MB↑田植えの休憩中。
田んぼが水鏡になり空が映って綺麗でした。
自然と接していると感動的な瞬間が沢山あります♪