2026年3月8日に、ソーシャルアクションシリーズ第15弾「自然ってなんだろう?」を開催しました。この企画では、自分を大切にしながら社会課題に向き合っている人を毎回取り上げています。
今回は、環境活動家の坂田昌子(さかた・まさこ)さんをお迎えし、自然という概念や生物多様性についてお話を伺いました。
Camp運営サポーター(広報担当)の莉莉がレポートします。
【坂田昌子氏プロフィール】
一般社団法人コモンフォレスト・ジャパン理事。高尾山でのネイチャーガイドのほか、生物多様性をテーマにしたイベントやワークショップ、勉強会を全国各地で主催。
「坂田さんの活動は、私が求めていた答えのど真ん中だった」
今回イベントを企画してくれたのは、Camperの@まゆ/神崎万友美 さんです。
まゆさんが環境活動家として最初に取り組んだのは、ごみ問題でした。
しかし活動していく中で、自然のあるべき姿をどうしたら取り戻せるのかという問いにぶつかります。そして、そもそも自分が自然についてあまり知らないことに気づきました。
壁にぶつかったまゆさんに転機をもたらしたのが、坂田さんとの出会いでした。
「自然って、好きとか嫌いとか、そういう概念じゃない」
最初に坂田さんが話してくださったのは、「自然」という概念について。
「そもそも日本語には『自然』という言葉はなかったのよ」と、坂田さん。
「自然」とは、明治時代に西洋から取り入れられた概念でした。
西洋では、自然は外側にあるもので、不完全だから人間が守らなければいけないものだと考えられていました。
一方日本には、古来から自然(じねん)という概念がありました。これは、人間は自然の一部であり、自分たちの内側に自然があるという考え方です。
だから、自然は好きとか嫌いとかそういう対象ではないのだ、と坂田さんは言います。
「生物多様性とは、関係の多様性」
坂田さんが次にお話してくれたのは、生物多様性について。
「多様性とは、単に種類が多ければいいという話ではない」と坂田さんは言います。
生物は常に周りの環境や他の生物に合わせて進化しています。つまり、お互いに関わり合いながら生きているのです。
そして、その関係が複雑であるほど生態系が壊れにくいそう。
例えば、チョウをカエルが食べ、そのカエルをタカが食べるという単純な関係があったとします。
この場合、カエルが絶滅すると、チョウが大量発生し、タカは絶滅します。
このような単純な食物連鎖では相互依存度が高いので、1種類が絶滅すると他の生物も絶滅してしまうのです。
似たような事例は、木の伐採にも見られます。実はケヤキ1本に関わる生物は600種に及ぶと言われています。
ですので、ケヤキの木を伐採することは、その木と関係を持っている生物を絶やす行為につながります。
私たちからすればたかが木1本ですが、そこには目に見えない多様な関係性が存在しているのです。
「いま私たちに必要なのは、“内なる自然“を育むこと」
日本は、アジアの中でも環境に対する意識が低いそうです。
いま私たちに必要なのは自然と出会い直すことだ、と坂田さんは言います。
いまの子ども達は、土に触れる機会がとても少ないそうです。その結果免疫力が下がり、感染症やアレルギーを引き起こす人が増えています。
また、自然に触れる機会が少ないので、そもそも自然に触れたいという気持ちを持たない人も増えています。
だからこそ、実際に自分の手を動かして自然と関わり、”内なる自然”を育むことが大切なのだ、と教えてくれました。
坂田さんが京都の公園でクロガネモチの木の樹勢回復ワークショップを行った時のこと。
ワークショップが終わった後も、参加者は木の様子が気になって仕方がない。
木のことが心配で何度も公園に足を運ぶ人も。
「自分が手入れしたものって気になるのよね」と坂田さん。
そしてワークショップから半年後、今までまったく実をつけなかったクロガネモチの木が真っ赤な実をつけたそうです。
すると参加者は「自分たちの行動に対して自然が応えてくれた」と大喜び。
今まで虫が苦手だった女の子も、その木に巣食うカブトムシの幼虫を手に乗せて大はしゃぎ。
自然に対する認識が変わると、相手に対する見方がこんなにも変わるのだという、印象深いエピソードでした。
今回のイベントは、自然について考えるためのほんの序章。坂田さんの深い経験と知識を語り尽くすには、1時間半ではとても足りませんでした。
今回できなかったお話もあるので、第2弾が開催されるかも!?まゆさん、お待ちしています🙏✨



