こんにちは。葉子です。

前回、「人生が変わるパーマカルチャーの旅」体験記 後編①(ポートランド)をシェアさせていただきましたが、今回はシアトルで学んだアーバンパーマカルチャー(都市部で実践するパーマカルチャー)について書いていこうと思います。

前回の記事はこちら↓
https://lifestyledesign.camp/blogs/aa271214b3d4


ブロックス農園とポートランド滞在中に理想とするパーマカルチャー的な暮らしのイメージ像は描けたものの、日本に帰国後、今の暮らし(アパート暮らし)にどのように活かしていけばいいのだろうかという迷いと課題を持ちながら、最後に向かったシアトル。


シアトルで出逢ったのは、パーマカルチャーデザインに関するプロジェクトを手がけ、著書も出しているパーマカルチャーのプロフェッショナル、Dave。シアトルのアパートで暮らしながら、パートナーのYukoさんと共にパーマカルチャー的なエッセンスが詰まった暮らしを実践しています。

(真ん中がDave、右側がパートナーのYukoさん、右側がソーヤー海くん。)


私と同じように、都市部に住んでいるけれど、アパート暮らしだけれど、できるところからパーマカルチャー的な暮らしを実践してみたい!という方へ何かしらヒントになるものがあれば、と思いながらこの文章を書いています。


では、早速DaveとYukoさんの暮らしぶりを紹介していきたいと思います。


Daveが実践しているアパートでのパーマカルチャー的な暮らしのひとつに、敷地内空きスペースの有効活用があります。(↓雑草が生えているだけの空きスペース)

Daveはここに箱庭を作ってケールや葱・ハーブ類、そして、プランターには紫蘇や茗荷など、料理中に欲しくなるような野菜を育てています。(写真↓の場所は、キッチンからも近い玄関を出てすぐの場所。パーマカルチャーでは「勝手口の外にガーデンを」と言われています。)

そして、この取り組みから生まれたちょっとした素敵なストーリーをDaveが紹介してくれました。


Daveが箱庭で野菜を育てているのを見て、それにインスパイアされた隣人が「楽しそう」と同じように箱庭で野菜を育て始めたそうです。


「とても感動的な出来事だったよ。このようにパーマカルチャーが少しずつ広がっていくことはとても嬉しい。食べ物を自分で育てることで地球との繋がりを感じることができるし、安心感にも繫がっていくからね。」とDaveは子どものように目を輝かせながら話してくれました。

また、オーナーに相談して、アパートの共用スペースで雑草が生えていた場所にも、ハーブやトマト、葉物野菜などを育てています。「共用スペースは自由に使うのが難しい」という思い込みがあったのですが、このように相談をして資源の有効活用をする視点と取り組みが素晴らしいな、と感じました。(写真↓はアパート前の道路に面している斜面。ここで野菜を育てています。)

室外が少しハードルが高いという方は、室内でできることもあります。


例えば観葉植物を部屋に置くだけでも、空気が綺麗になり、グリーンが心を癒やしてくれます。(窓辺のグリーンが部屋に馴染んでいてとても綺麗でした。)

観葉植物は購入してもいいですし、友人から枝を分けてもらい水に入れて根っこを生やして土で育てることもできます。


他にも、ファーマーズマーケットで買ったお野菜やキノコ類、果物、カモミールなどを電気乾燥機で乾燥させて保存したり。(シアトルは季節によっては雨が多く室外乾燥が難しいので、ガレージセールで手に入れたこの乾燥機が重宝しているとのこと。)

ミントは暖房の空気口に吊して乾燥させていました。


Yukoさんが作って下さった自家製フルーツビネガーのドリンクも美味しく、家でやってみよう!と思ったことのひとつ。

<Yukoさんから教わった、自家製フルーツビネガーの作り方>

ラズベリー、ブルーベリー、ブラックベリーなど好きなフルーツを瓶いっぱいに詰めてお酢でひたひたにします。冷蔵庫に瓶を入れて1週間くらいで完成。(1日1回瓶を振ります。完成後、果物の実はコンポストへ。)フルーツビネガーはサラダにかけたり、アガベシロップや蜂蜜と混ぜたものを炭酸水で割って飲んでも美味しいです。


みみずコンポストについても教えてもらいました。

Daveが手にしているのは自作のミミズコンポスト。

ミミズコンポストを使うことにより、ゴミを減らすことができ、またミミズの糞や尿は堆肥や液肥として使うことができます。

アパートでも比較的簡単に出来る循環する暮らしです。


<ミミズコンポストの作り方>

1)適当な大きさの容器を2つ用意します。

2)上の容器の底部分に穴を開けます。(そうすると、下の容器に液肥が溜まります。)空気口も作ります。

3)容器にジャンクメールをシュレッダーしたもの(紙)、生ゴミ、ミミズを入れて、紙で覆い被せます。(ミミズは暗い環境を好むため。また、臭いはあまり気になりませんでしたが、紙で覆い被せることにより、臭いが広がるのを防止する効果も期待できます。)

4)ミミズが生ゴミと紙を食べて分解してくれます。ミミズの糞は堆肥に、尿は液肥になります。液肥は10倍に薄めて畑にまきます。


自作してみようという方は詳しい作り方をインターネットや本などで調べてみて下さいね。


Daveはみみずコンポストをアパートの共用ランドリー室に保管しているのですが、とても興味深い話を聞くことができました。


ランドリー室の窓がきっちりと閉まらず(なぜかダクトが窓のところに設置されています。。)、冬は特に冷えるため住民たちは困っていたようですが、

「寒い」というもともとは「問題」だと思われていた環境を利用して、今はじゃがいもや玉ねぎ、お米などの保管場所として「有効活用」しています。また、缶詰やガスコンロ・ガス缶、水など災害でインフラが止まったときのための食料やバックアップとなるものもここで保管しています。

DaveとYukoさんが紹介してくれたアパートで取り組むことができるパーマカルチャーの実践例の数々。


視点を少し変えてみると「資源(土地)」が既に近くにあったり(アパートの空きスペースで野菜を育てる)、ゴミが「資源(肥料)」に変わったり(ミミズコンポスト)、「問題」だと思っていた場所を「有効活用」(寒いランドリー室を食料等の保管場所に)したりすることができます。また、室内など限られた場所でも工夫できることはたくさんあります。


「これなら出来るかも」「取り組んでみたい」と感じたことはありましたか?


もし、何か「取り組んでみたい」と感じたことがあればまずは実践してみてくださいね。私はミミズコンポストをまず実践してみようかと思っています。


Daveは、「まず小さなことから始めてみて、フィードバックをもらうといいよ。成功したら、次のステップに進んでみたらいい。もし、失敗したら何故失敗をしたのか考え、次に活かしていく。実践しながら学んでいくことが大切だよ。」と「スモールステップ」と「トライアンドエラー」の大切さを自身の体験を基に私たちに語ってくれました。


学長(大ちゃん)も日々のワークや著書で「スモールステップ」と「トライアンドエラー」の大切さを伝えて下さっているので、Daveの話をすっと理解することができました。(大切なメッセージを日々伝えて下さり、ありがとうございます!)



最後に、シアトルの素敵なレストラン(Bastille)の紹介を少しだけして、「人生が変わるパーマカルチャーの旅」の報告を終えようと思います。


このレストランでは、「オーガニック」で「サステナブル」な農業を大切に考えていて、地元の農家さんが育てたお野菜や、屋上ガーデンで育てている葉もの野菜やハーブなどを使った料理を提供してくれます。

(シアトルに行かれる機会がありましたら是非!)

↓子ども用のプールに防水シートを被せて作った手作りプランター。

外観はこんな感じです↓


レストランの前にて、Dave、Yukoさん、旅の仲間とたちと。


今回の旅で、パッションと愛に溢れる素晴らしいパーマカルチャーの実践者たちと、とても温かで素敵な仲間たちと出逢えたことに感謝して。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。


愛を込めて。

葉子


*掲載している写真はツアー仲間が撮影したものを承諾を得て使わせていただいています。