こんにちは、莉莉(りりい)です。
東京から電車を乗り継ぎ、約4時間。
長野県安曇野市の山の中腹にあるリトリート施設・穂高養生園。
今年のGWに人生初めてのリトリートを体験してきたので、リトリート初心者が感じた率直な感想を記したいと思います。

■穂高養生園をえらんだ経緯
    事の発端は、昨年12月。
今年のドリームリストに「9連休をとってリトリートする」と書いた私。
でも、どこに行こう?リトリートなんてしたことないし。
そんな時、たまたまじゅんじゅんさんとのマンツーマントークで、穂高養生園を紹介してもらう。
「9連休いつ取ろう?」
「あ、GWの中日2日休んだら、9連休になるぞ!」
「GWはどうせどこも混んでるし、宿にこもるならちょうどいいな」
その頃、自分らしさや自分のやりたいことがわからず迷走していた私は、このリトリートで人生を見つめ直そう、そう思っていました。

■時が止まったような、静かで穏やかな空間
養生園に足を踏み入れると、時間の流れが違うのを感じました。
時が止まったような、別世界に来た感覚。
養生園・里の家には、宿泊客が食事をするホールがあるのですが、いつもゆったりとした音楽が流れていて、静か。
食事の時間以外は人も少なくて、好きな場所でくつろぐことができます。
固定された席がないんです。
長机だけが置かれていて、各々好きな場所に座るスタイル。
お庭が見えるテラスや、ハーブガーデンに面したテーブル席もあり、食事の時間はどこで食べようかいつも迷ってしまう。
私のお気に入りの席は、木々が見える窓辺の席と、テラス。
朝食の時間は陽の光が入って暖かいので、よくテラスで食べていました。
日中はみんな出かけてしまうのか、館内は人が少なくてとても静か。
そんな時に、ホールでゆったり過ごす時間も好きでした。

■とにかく食事が美味しい
食事は1日2食。朝10時30分と夕方17時30分。
肉・魚・卵などの動物性タンパク質がない、菜食(マクロビ)です。
でも、どれも手が込んでいて、彩りも豊か。食べるのがもったいないくらい。
毎回調理を担当したスタッフの方が今日の献立について説明をしてくれます。
お料理の作り方も説明してくれるので、とても参考になります。
1日2食の貴重な食事であること。時間をかけて丁寧に作られていること。
私はこのことを感じながら、噛みしめるように味わって食べていました。
(毎食30~40分かけて食べていました。ただ遅いだけ?)
毎回玄米が提供されるせいか、2食でもほとんどお腹は空きませんでした。
宿泊料金は決して安くはないですが、この食事内容なら納得です。
※ご飯は調整できます。たまに汁物が余るとお替わりできることがあります。
※お腹が空いた時は、木と人カフェでおやつが調達できます。

■セルフサービス
もう一つ驚いたのは、自分が使った食器は自分で洗うこと。
食事が終わった人から洗い場に行き、食器を洗って水気を拭き取ってから片付ける。
最後には、洗い場の水気も拭き取り、食事の時間が終わります。
実はこの養生園、あらゆる場面でこうした作業が要求されます。
洗面台を使った後の水気とり。湯船を利用するときのふたの開閉。
ドライヤーを使った後に落ちた髪の毛をコロコロで掃除する。
ちょっとしたことだけど、みんなができることをすることで、お互いに気持ちよく過ごすことができます。
現代はとかく「お金を払ってるんだから、やってもらって当然」という意識が横行しているけれど、私は違うと思います。
どんなにお金を持っていたとしても、そのサービスを提供してくれる人がいなければ、お金は何の意味も持たない。
つまり、たとえお金を払っているとしても、そのサービスを提供してくれる人に対して感謝の気持ちを忘れてはいけないと思う。
自分ができないことをやってくれるというのは、本当にありがたいことだと思うんです。

■お互いを尊重する平和な世界
先に記したセルフサービスともつながるのですが、この施設にはお互いを尊重する雰囲気が漂っていると感じます。
セルフサービスの部分があるからこそ、「みんなでこの宿を作っている、秩序を守っている」という感覚が生まれる気がする。
例えば洗面台を使ったあと。他のホテルなら、汚れていても見て見ぬふりをして立ち去るか、ひどければスタッフの方を呼んで掃除してもらうかもしれない。
でもこの施設では、近くに台拭きが用意されているので、家と同じように、汚れたらさっと拭くことができる。
決して強制されているわけではないけれど、次の人が気持ちよく使えるようにさっと掃除すると、何だか自分もいい気分になるから不思議。
そうしてお互いが気持ちよく過ごせるようにしようというみんなの気持ちが穏やかで平和な空間を作り出している、そんな気がします。
あと、スタッフの方もとても幸せそうに働いているのが印象的でした。
朝はお庭で体操したり、食事の配膳が終わったあと、調理場でまかないを食べながらおしゃべりしたり。そういう余白って大切だなぁと、見ていてとてもほっこりしました。