Lifestyle Design. Campの仲間が、クラウドファンディングに挑戦している。
彼はサラリーマンをしながら、先月、社会起業家になった。
廃棄されるプラスチックを減らすため、ペットボトルをやめてマイボトルを持つ習慣を社会に広めようとしている。


・なぜマイボトルなのか

海洋問題、その原因である廃棄プラスチックと言っても、その種類は数百になる。
また、家庭から出るもの、企業から出るもの、ポイ捨てされるもの、そのすべてを一度にターゲットにすることは難しい。
一人の社会起業家は、時間もお金も、使えるリソースは限られている。

そこで彼は、プラスチックの中でもペットボトルに焦点を定めた。
日本の一年間のペットボトル消費量は、234億本にも上る(2021年)。一人あたり、年間186本のペットボトルを購入している計算だ。
他のプラスチック製品に比べ、ペットボトルは使用される寿命が短い。
コンビニで買ったジュースは、数分のうちに飲み終わってしまうこともある。
マイボトルを使用することで、その購入量を半分にできたとしたら、数の上でも大きなインパクトになる。
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・マイボトルを持ち続ける難しさ

東京都に住む人の、2人に1人がマイボトルを所有しているにもかかわらず、その8割が外出先でマイボトルを使っていないというデータがある。

重くてかさばる
給水場所が少ない
自分だけマイボトルなのは気が引ける

マイボトルの利用が定着しない理由はたくさんある。
これらのハードルを越えるには、どうしたらいいのだろうか。


・楽しさが面倒臭さを越える

彼が解決策として考えるのは、「みんなでマイボトルを持ち、楽しさを共有しよう」ということだ。
イメージは、家族や友人と手作りのお弁当と水筒を持ってピクニックに行く、楽しさ。
一人で継続することは難しいが、仲間と楽しんでやることは、継続につながりやすい。

マイボトルには「3.5%vibes」というロゴが描かれている。
3.5%というのは、ハーバード・ケネディ・スクールの政治学者、エリカ・チェノウェス教授が提唱した数字。
様々な社会やコミュニティで行われた市民活動・社会変革は、人口の3.5%の人が集うことで、脅威の成功率となる、というものだ。

このロゴには、3.5%の人たちが集まるシンボルになってほしいという願いが込められている。
そして、社会を変えていく3.5%の人たちがもつエネルギー、振動を大きく広げていきたいと、彼は考えている。

まずは、興味を持った人がマイボトルを持ち歩く。マイボトルユーザー同士がつながることで、はじめの1%をつくっていく。その輪が3.5%まで広がったとき、マイボトルを持ち歩くムーブメントは一気に加速する可能性がある。
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・みんなで楽しむコミュニティ

環境問題と聞くと、とても大きなことで、難しく感じてしまうこともある。
自分だけがんばっても、結局は失敗してしまうのではないか。
もっと大きな部分を変えなければ意味がないのではないか。
そんな不安や絶望を克服するポイントが「みんなで」「楽しむ」ことである。

解決できるかどうかの結果だけにとらわれることなく、その過程を楽しむことを目指す。
クラファンの支援者は、彼がつくったオンライングループに入ることができる。
そこにはすでに他の社会起業家や、環境問題の初心者など、多様な人がいる。
積極的に環境問題にアクションを起こすのもいいし、ただ仲間とつながりたいという想いでもいい。
そもそも、環境問題や社会問題は特権階級や研究者だけのものではない。
一人の生活者として、解決に向けて協力したいという想いさえあれば、それがつながって大きな力になる。

もちろん、クラウドファンディングを支援してもらうのが嬉しいけど、SNSなどで「こんな取り組みがあるよ」とシェアしてもらうだけでも、とてもありがたい。

色々な事情で今すぐには行動できなくても、応援することで3.5%に入ることはできる。
どんなに小さなことでも、ひとつの波紋がまとまれば、それはやがて大きな波になるのだから。



【クラウドファンディング】
「社会を変えていく「3.5%」の人たちが持つマイボトルをつくりたい」

https://rescuex.jp/project/69966