『人生やらなくていいリスト』
四角大輔著
頑張らなくていいことに「命=時間」を費やしてる君へ。
現代社会を生き抜くためのミニマム仕事術。
「To Do」を手放し、仕事の効率を高める。
「心の荷」を捨て、理想の生き方を手にする。
超高ストレス社会で自分を守り抜き、
軽やかに働くための40の技術が語られた、
「世界一簡単な」人生デザイン学の本。
今回は、本著よりChapter014を全文公開!
Chapter 14 ライバルはいなくていい
同僚が大きな成果を出したり、同業者が大成功を収めた時、あなたはどうする?
羨ましがる、悔しがる、陰口を言う、ひとりで頑張る......。
そんな時ぼくは、思い切って、その人を訪ねるようにしている。
〈Illustrator. Takahiro Koyano〉
プロデューサー時代、「これはスゴい」と思うアーティストのブランディング戦略やマーケティング術を見たら、社内外関係なく、年上か年下も関係なく、それを仕掛けた人にアポをとり、「教えてください」と頭を下げ、「これは実際、どうやったんですか?」と、ストレートに質問していた。
音楽業界では、ほかのプロデューサーにやり方を聞きに行く人は、ほとんどいない。ある意味、御法度。ぼくはかなりの変わり者だった訳だ。
レコード会社のプロデューサーというのは、会社員でありながら、それぞれが独立して動く個人商店のようなもの。誰がどのくらい売り上げているかもわかり、常に比較されて競争にさらされる。同僚であってもライバルゆえに、暗黙のルールとして、貴重な情報を開示することは基本なかった。他社であれば、なおさらだ。
でも、周りのプロデューサーたちを「ライバル」として見たことは一度もなかった。むしろ「メンター=師匠」だと思っていた。
誰もが、ぼくにはない独自の哲学とプロデュース方法をもっている。ライバルどころか、彼らこそ、深い教えをもたらしてくれる最高のメンターなのだ。
この「直接アポ作戦」を通して知った真理がある。それは、相手が超一流の「本物」であれば、快くすべての話を聞かせてくれるということ。
そして、この行動を続けているうちに、さらに気付いたことがある。「学べる人」というのは、実は、身近なところに想像以上にたくさんいる。そして、メンターをひとりに絞る必要はない、ということ。
完全無欠な人間なんて存在しない訳で、誰もが固有の欠点と長所をもっている。そんな「誰かひとり」を完全崇拝することは、とても危険だからだ。
「この部分はあの人から」「あれに関してはこの人が参考になる」という具合に、自分にとって「見本となる部品」を拾い集め、それらを自分なりにカスタマイズした上で、自身にインストールすればいいのだ。
実際に、ぼくが確立した独自のプロデュース術も、いま各プロジェクトに提供しているブランディングのノウハウも、そうやって集めたパーツの集合体。
たったひとつでも学ぶことがあったら、その人はあなたの立派なメンター。
つまり、あなたの周りにいる全員が、実はメンターになりうる、ということになる。
最後にひとつつけ加えておくと、ぼくは「教えてほしい!」と勇気をもって飛び込んでくる人がいたら、出し惜しみせず答えを返すようにしている。
それが、これまで出会ってきた、徳が高く器の大きい超一流メンターたちへの、間接的な恩返しになると思うからだ。
そして不思議なことに、そうすればするほど、さらに素晴らしい教えや情報を与えてくれるメンターたちとの出会いに恵まれるようになる。
「何か」を手放すと、必ずもっと大きな「何か」が巡ってくる。実は世の中は、人が考えるよりも、ずっとシンプルな原理で動いているのだと実感する。
ライバルは必要ない。パーフェクトな師匠も必要ない。
どこか一点、強烈な魅力や強みをもつ「身近なひと」を探すことから始めよう。そしてそれは、あなたのすぐ隣にいるものだ。
ちなみにぼくの場合、教えを請う相手に所属、性別、年齢は関係ない。
先輩の大ベストセラー作家や超優良企業の経営者から、無名の高校生起業家やぼくのところで働く学生インターンまで、彼ら全員が、貴重な先生たち。
お金を払って、コンサルを受けたり、ビジネス書を買ったり、講演やセミナーに行ったりするのもいいが、実は、あなたが日々すごしている現場でこそ、多くの学びを得られるということを、ぼくは伝えたい。
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『人生やらなくていいリスト』四角大輔
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