先週からお届けしている〈ライフテーマ・デザイン〉は、ライフスタイルの軸となる「自分の人生のビジョン」を探す旅。
毎週のワークを通して、本来のあなた自身と対話を重ねていこう🌍

前回のメソッドでは、あなたの「人生のビジョン/ライフテーマ」を教えてくれる「インスピレーション」の大切さ、あなたの「内なる声/真の望み」を受け取るアンテナ感度の高め方について紹介した。

自然の中に身を置くことで聞こえてくる心の声、人やアートに触発されて湧いてくるインスピレーション、不要な物事・余計なノイズを消し去ることで研ぎ澄まされる感覚。
新たな気づきや、アイデアの一つ一つと丁寧に向き合うことで、あなた自身を取り戻すことができ、「本当にやりたかったこと」が見えてくる。

先週は、時間軸でいうと「現在」について考えてもらった——それは〝今〟感じることや思い浮かんでくること、感動していることなどへのフォーカス。

今回は「過去」にスポットを当てよう
「過去」の結果が「現在」であり、「現在」の結果が「未来」。

これから書くことは、ぼくがレコード会社プロデューサー時代に、音楽アーティストに対して行っていた重要なアプローチの1つでもある。

人によっては、「過去を振り返るな「常に前を見ろ」と言う人がいる。
たしかに、過去の出来事それ自体を変えることはできない。

しかし、時間が経って傷が癒されたあとに振り返って整理することで、ぼくたちは過去と決別することができる。

盟友のキングコング西野っちは「どんな辛い過去でも、それをネタにできる芸人は恵まれてる」と言っていたが、それはぼくら一般人も同じ。
視点を変えると、「過去は変えられる」とも言えるだろう。

生まれてから今日までアップデートを繰り返してきた〝最新バージョン〟である「現在」の自分に自信を持とう
「今、生きている」だけで自分の過去すべてに自信を持っていい

そして、これまでに高めてきた感性と知見で「過去」を振り返ると、案外新たな発見があったり、トラウマを克服できたりする。

あなたを作り上げてきた過去には、思いがけない宝物や未来へのヒントがまだまだ眠っている。

今週は、小さい頃を振り返り——他者基準や外部情報が詰まった頭から発せられる「偽の衝動」ではなく——心の奥底、自分自身の内側から湧き上がる「本物の衝動」を思い起こしてみよう。


<幼少期。弟とぼく>

●自身に寄り添い、心の奥へ深く潜るために

ぼくはレコード会社でひとりの新人アーティストのプロデュースを開始するとき、大切にしていたことがある。

それは、アーティストに自分を同化させるくらい徹底的に寄り添うこと
そのために、彼らの「心の真ん中(真の望み=その人の真のアーティスト性)」を見つけ出すようにしていた。
それこそが本当の〝答え〟であり、アーティストに眠る彫刻作品のこと。

そのための導入が、アーティストに「過去のルーツ」をとことん思い出してもらう作業だ。
好きなこと、夢中になるもの、原体験、過去の衝動体験を内側から引き出すプロセスに何ヶ月もかけていた。

過去のルーツをノートに書いて提出してもらったり、文通のように手紙を交換をしたり。
数時間ほどの対話や、瞬間的な現場でのちょっとした会話(これがもっとも多かったし、本質を引き出せた)など、さまざまなスタイルや場面で取り組んだ。

「何ひとつ聞き逃さないぞ!」という気迫を持ち、最低1年間はなるべく時間を共にする。彼らの「中心部分」と共振、共鳴すべく努めてきた。

その間、ぼくの頭の中は常にそのアーティストのことでいっぱい。本当に24時間ずっと。
眠りにつく寸前までアーティストへの深い思索を巡らせると、夢の中でも考え続けることができる(夢の中で思索は、ぼくの得意技でもあった!)。

これから伝える「7つの質問」は、ぼくがプロデューサー時代、アーティストに投げかけていた無数の問いから抜粋した代表的なもの

誰にとっても、探求するライフテーマへ続くヒント、自分だけの才能などが見つかるツールになるはずだ。
自分自身とつながるルーティーンとして、最低でも年に1度、もしくは何かに迷ったときに心に問いかけてみてほしい。

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【今週の先出しハイライト】
・幼少期に夢中になっていた瞬間を思い出すことで、心の奥に眠る「本物の衝動」が鮮明になる。
・語り続けられるテーマを分析し、自分が何に「楽しい」と感じるのかを掘り下げる。
・思わずニヤニヤしてしまう瞬間に気付き、自分のワクワクと繋がる。
・淡々と取り組む作業こそ、自分の「アーティストモード」を発見するための鍵。
・何年も続けてきたことを振り返り、飽きずに続けられる力や「情熱の源泉」を探る。
・強くこだわり、お金を惜しまず投じてきたものが、ライフスタイルを豊かにするリターンに繋がる。
・過去の強烈な衝撃体験から、自分の人生に深く影響を与えた源泉を振り返る。
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