ハーバード大学の成人発達研究所が、700人以上を75年にわたって追跡調査した結果、こんな結論に至る。

人生を幸せにするのは――お金でも名声でもなく――人間関係であると(*1)。

しかし、上司、先輩、同僚、後輩。取引先のあの人、この人。友人、家族、そして恋人、元恋人……現代人が抱える悩みの大半は、人と人の間に生まれる

人間関係ノイズは、ぼくたちの周りにあふれ、人生を狂わせる最大の元凶にもなり得る。

それだけに、自分らしい人生をデザインする上でとても重要だ。
この「人間関係のノイズレス化」こそが最も難しい

そこで今週は、考え方や習慣、価値観はもちろん、日常の小さな判断や人生の大きな決断にまで影響を与え、人生で一番の課題とも言える「人間関係」について考えてみよう。

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先週のメソッドで触れた「情報ノイズ」以上に、人間関係がもたらす、他人からの「助言ノイズ」の人生に与える影響力はとても大きい。

残念ながら日本は、世界的に見ても、他人からの「助言ノイズ」が異常なほど多い国。
村社会や島国カルチャーと言われる、昔ながらの「他人への過干渉」という文化的な背景もその原因の1つだろう。

特に「親から子への過干渉」「ブーマー世代による若者への過干渉」「先輩から後輩への過干渉」「上司から部下への過干渉」という風潮が許されているように、年功序列文化がマイナスに作用してしまい、「上下関係ノイズ」があふれている。

年上を敬い、年功序列を大切にする伝統は本来、日本特有の美しい美意識。
でも、それが現代になってどんどんとノイズ化している。
ぼくが世界一キライなノイズが、この日本の無意味な「上下関係ノイズ」。

さらに、LINEといったコミュニケーションツール、SNSといったソーシャルツールの急激な多様化と発達によって、これら一連の「人間関係ノイズ」はさらに拡大。

この過剰な「人間関係ノイズ」からの退避こそが、ぼくがニュージーランドへ移住したかった大きな理由の一つ(人付き合いをフルリセットできることが、海外移住の利点の一つだと思っている)。

・小さい頃に両親の影響で刷り込まれた不要な習慣
・人格形成の重要期に学校で教え込まれた余計な価値観
・上司や先輩から「絶対だから」と押しつけられた過剰なルール
・親戚や近所の大人たちの言動を通して植え付けられた古い考え方
・無自覚に頭に侵入してきたSNSの情報や街にあふれる他人のどうでもいい意見

あなたがこれまで〝アタリマエ〟や〝ジョーシキ〟だと思い込んできたことの多くは、あなたが深くつながったり、出会ったり、すれ違ったりしてきた無数の「人」から得た情報でできている

人とのつながりは、多くの素晴らしくかけがえのないものをもたらしてくれる。
それは「人生の宝」だと言い切れる。

しかし、油断するとその「宝」が「毒」へと変わってしまうことを心に刻んでおいてほしい。

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【人間関係ノイズ解消の5つのヒント】

1 身の回りの〝プロデューサー〟を見極める。