『人生やらなくていいリスト』
四角大輔著
頑張らなくていいことに「命=時間」を費やしてるあなたへ。
現代社会を生き抜くためのミニマム仕事術。
「To Do」を手放し、仕事の効率を高める。
「心の荷」を捨て、理想の生き方を手にする。
超高ストレス社会で自分を守り抜き、
軽やかに働くための40の技術が語られた、
「世界一簡単な」人生デザイン学の本。
今回は、本著より前書きを全文公開!
はじめに
「なんでもデキる人」にならなくちゃいけない。
「誰かに勝つため」「期待に応えるため」に、ただひたすら頑張らないといけない。
そう思い込まされて心を殺し、「やるべき」と言われることを、すべてやろうとしているうちに、あなたは生きること自体が苦しくなっていないだろうか?
〈Illustrator. Takahiro Koyano〉
でも、ぼくは言いたい。
仕事や人生で「あなたの理想」を手にするためには、「誰か」と比較しなくていい、「すべて」をやらなくてもいいのだと。
いまぼくは、ニュージーランドの、原生林に囲まれた湖で半自給自足の〝森の生活〟を営みながら、年の数ヶ月間は世界中で〝移動生活〟を送っている。
「苦手」を捨てて「やりたいこと」に集中する。
「好き」を極め、シンプルに生きる。
その結果、場所に縛られない自由な働き方を構築することができた。
四社の役員を兼任し、起業家やアーティスト育成、大学非常勤講師、人生デザインを学べるオンラインスクール学長など、複数の分野で活動。
アウトドア、旅、オーガニック、執筆といった「好き」を仕事にする、自在なライフスタイルを創っている。
〈Illustrator. Takahiro Koyano〉
そんなぼくの前職は、レコード会社勤務のアーティストプロデューサー。
当時、独創的と評されたプロデュース術も、生き方と同じシンプルな引き算スタイル。
絢香、Superfly、平井堅、CHEMISTRY、河口恭吾など、十数組の才能あるアーティストたちのおかげで、配信を含めると一〇回を超えるミリオンヒット、CDの累計売上二〇〇〇万枚という実績を残すことができた。
でも、三〇歳になるまでのぼくは、まったくのダメ社員。
最初の二年はいじめに遭い、営業所一の不良営業マン。その後も、会社評価はしばらく最低ランク。
毎朝、鏡の前で、笑顔と挨拶の練習をしなければ会社に行けない。
「なぜ、うまくいかないんだろう。自分はダメなヤツだ」
〈Illustrator. Takahiro Koyano〉
そうやっていつも、自己嫌悪に陥り、ストレスで体調を崩していた。
悩み苦しみ、心が完全に折れる寸前、ふと気が付いたのだ。
先輩や大人たちから「やるべき。これが常識」と言われるまま、やみくもに行動しても、ぼく自身がしっくり来ていなければ、自分にとって理想の人生を創ることはできない、ということに。
世間で「あたり前」や「社会ルール」とされることを盲信して、何の創意工夫もせず、ただがむしゃらに努力するだけでは、人は決して幸せになれない。
「苦手を克服せよ。あいつに負けるな」と言われ、そこに膨大な時間と大きな労力を注いでも、いい成果に結びつくことはない。
ぼくが、ダメ社員を脱却し、プロデューサーとしてミリオンセールスを何度も経験できたり、学生時代からの夢、ニュージーランド移住を実現できたり、自身の著書でベストセラーを出せたりした理由。
そこには特別な方法も、複雑な道のりもなかった。
ただただ愚直になり、目の前の「自分にできることだけ」に集中しただけ。
「普通はみんなやるから」と強いられても、納得できなければ、やらなくていい。
一般的に「できなきゃダメ」と言われていることも、違和感があれば、できなくてもいい。
「普通」や「一般的」なんてのは、この世に存在しない、実態のない幻想。
従うべきは、他人や組織が勝手な都合でつくりだした「根拠のない常識」ではなく、あなた自身の内側から発せられる「本当の心の声」。
〈Illustrator. Takahiro Koyano〉
三〇歳を越えて、それら外部ノイズに負けず、自身の感覚を信じ、できることだけに集中したら突然、仕事も人生もうまくいくようになった。
できないこと、しっくりこないことは、いったんわきに置いてみよう。
勇気を出して自分を信じ、自身にできることだけに賭けてみよう。
断言しよう、それが理想の生き方を手にする唯一の方法だ。
〈Illustrator. Takahiro Koyano〉
あなたはいま、家庭内や外の人間関係、学校や仕事の成績も、すべてにおいて満点を取ろうとしていないだろうか?
そのためにあらゆる努力をしているのに、すべてが五〇点くらいになってしまい、もがき苦しんではいないだろうか?
すべてに力を注ごうとするから、すべてが中途半端になる。
それよりも、全力を注げるたったひとつのこと、一〇〇点満点を狙えるものを見つけよう。
できることをひとつ見つけたら、わき目もふらずそれをやり通す。
変化球や細かいテクニックを身につけるのは後でいい。
必要なのは真っ直ぐな球だ。たった一球の剛速球を投げることを目指そう。
まさに、「人生なんでもやれるが、すべてはできない」ということだ。
この本では、仕事や生活で「あなただけの理想」を手にするために、「やらなくてもいいこと」「やってもいいこと」を、四〇個のポイントに分けて紹介していく。
〈Illustrator. Takahiro Koyano〉
これまで、すべてをそつなくこなせる「平均点人間」が評価されてきた。
会社や上司の命令に盲目的に従う人間。いままで通りのことを繰り返しできる人間。
日本では、まるで軍隊か工場のようなシステムの中で、ぼくらはロボットのように教育されてきた。
しかし、世界は変わった。いま、ぼくらは二一世紀にいるのだ。
右肩上がりの経済成長や、大企業が一生安泰なんて常識は完全消滅。
社会に安定も連続性もなくなり、半年先さえ予測不能となったいま、古いルールの言いなりや過去の繰り返しこそが、ハイリスクな生き方となってしまった。
いま求められているのは「他人と同じや従順」ではなく「オリジナリティ」。
「まんべんなくバランス」ではなく、「一点突破」だ。
たとえあなたが「みんな」と違っていたとしても一ミリも気にしなくていい。
周りの目や期待から自由になろう。
常識という小さな檻から飛び出そう。
基準がハッキリしない、無意味な人生の勝ち負けレースから脱出しよう。
もう、自分で自分を縛り付けるのはやめにしよう。
ぼくらが従うべきものはたったふたつ。自然の摂理と、自身の心の声だけだ。
やらなくてもいい。できなくてもいい。自分らしくていい。
他人や社会から評価されるためではなく、「あなたらしい成功」を、誰かの理想ではなく「あなたにとって理想の人生」を目指せばいいのだから。
『人生やらなくていいリスト』四角大輔
▽Amazon【講談社+α文庫/¥858】Kindle版もあり
http://amzn.to/2GQL962
▽本書特設Instagramアカウント:@undolists
https://www.instagram.com/undolists/