● なぜ今、情報のノイズレス化が必要なのか

ネットやデバイスの急激な進化によって、社会は目まぐるしいスピードで変化する「情報爆発社会」になった。

「生き方の正解」や「人生のレール」は完全に消滅。過去の成功体験や、これまでの常識で人生を導けなくなってしまった。それなりの情報リテラシーや、優秀な頭脳をもってしても、社会情勢に混乱させられてしまう。

そんな時代だからこそ、あなたの「内なる声=内受容感覚(Deep Needs)」が伝えてくれる直感、感性、そして身体感覚を信頼し、それに従って生きる覚悟と勇気を持つことがとても重要だ。

でも残念なことに、「内なる声=内受容感覚(Deep Needs)」つまり直感・感性・体感は、ささやきのように小さい。
あなたが生きる空間や環境、顕在意識や脳内にノイズが多いと、誰もがそれを聞き逃してしまう。

だからこそ、「静かで穏やかな時間と空間(=ノイズレス・ワールド)」を持つことが重要だ。

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【今週の先出しハイライト】
・「生き方の正解」が消えた今、小さな小さな“内なる声”を聞くには、あなたの「ノイズレス・ワールド」が重要だ。
・日本はノイズが異常に多い情報ジャングル。だからこそ「無自覚ではなく意識的」に、情報と向き合う力が問われている。
・オフラインタイムは、本来の感性とつながり、日常にアーティスト性を取り戻すための入口になる。
・画面の奥にも静かなノイズが潜む。脳の疲れを防ぐには、デジタル空間にも余白をつくることが大切。
・惰性で接するメディアを洗い出せば、「脳がハッキングされた状態」から抜け出し、情報も食材と同様に選べるようになる。
・欲していない情報はすべてノイズ。自分の意思で選ぶ力が、人生の主導権と暮らしの質を取り戻す。
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<Photo by  Shotaro Kato>

● 「情報のノイズレス化」から始めよう

情報ノイズを減らすための技術は、「情報爆発社会」となった現代を生き抜くための最重要スキルだ。

「あなたは食べたものでできている」という有名な言葉があるが、「あなた自身(考え方や価値観)は、これまで触れてきた情報でできている」と知っておいてほしい。

望む望まないに関わらず——親、学校、人間関係、メディア、広告 etc....——無数に経路から入ってきた無数の情報によって、ぼくらの思考、価値観、判断は作られている。

日本は、世界的に見ても「異常なレベルのノイズ」にあふれているノイズジャングル。 しかも、広告資本主義が日本社会を駆動しているため、その情報のほとんどが広告ベースで、ぼくらを取り巻く情報の裏には「広告主の意図や下心」が隠されている。

なお、広告資本主義の悪玉アメリカの影響下から外れている、ニュージーランドや北欧諸国では、これほど大量の広告ベースの情報があふれていることはない。

情報量と選択肢が多ければ多いほど、人は「自分の意思」で選択しなくなり、広告や他人の意見に誘導されてしまう(*1)。
さらに、過剰な情報は脳疲労を引き起こし、鬱(うつ)になりやすいということがわかっている(*2)。

そして、スマートフォンを筆頭とした無機質なスクリーンデバイスの過剰使用は、「思考力・記憶力・集中力・認知能力・学力・自尊心・睡眠の質・人への関心」を低下させるという(*3)。

そんな環境下でフォーカスすべきは「外部情報=外側」ではなく「あなたの内側」

何よりも優先してほしいのが、あなたの命が体を通して伝えようとしている「内なる声=内受容感覚(Deep Needs)」だ。

意図された情報砲撃による洗脳から脱出し、本来の自分自身を取り戻すためには、「情報との付き合い方」を本気になって見つめ直す必要がある。

「無自覚ではなく意識的」「受け身ではなく能動的」—— この2つのキーワードを頭に入れて、以下のメソッドに取り組んでほしい。

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