もうすぐ終わる2024年、二度と来ない2024年——。
ぼくにとっては、作家としての海外進出の第一歩を踏み出せた、忘れがたい一年となった。
では、なぜこのタイミングで海外への具体的なアクションを起こそうと思えたのか。
それは、これまで書いてきた10冊の著書・共著、そして作家として生きてきた15年があったから。
特に『超ミニマル主義』と『超ミニマル・ライフ』の存在が大きく——そんな文脈で——四角大輔ブランディングの確立について話してる、約一年前のムービーがあるので、ぜひこのタイミングで観てほしい。
さて、今年最後のメソッド&ワークとなる今週は、<テクノロジー・デザイン>の最終週。
先週は、「超・情報化社会」を生き抜くためのテクノロジーからの身の守り方をお伝えした。
いわば、テクノロジーに人生を狂わせられないための防衛術だ。
今週は、常時オンライン状態という人類史上「最も異常な環境」を生きるぼくらが、デジタル情報を能動的に活用していくためにかかせないデジタルデトックス術について。
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【今週の先出しハイライト】
・通知を基本OFFにして、「必要な時に情報を取りに行く」というスタンスを身につけよう。
・SNSは検索で情報に直接アクセスするようにし、バーチャルな社交のしすぎで疲弊しないようにしよう。
・ファクトチェックされた情報ソースを源泉し、聴覚メディアを活用するなど、情報ノイズに対処しよう。
・夜のオフライン習慣を徹底し、「セルフケアタイム」と「キャンドルタイム」を取り入れて寝付きをよくしよう。
・「自然豊かな場所」を見つけだし、手ぶらでの散歩などで強制的にデジタルデトックスしよう。
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「週末は何をしていましたか?」
こう聞かれて、明快かつ前向きに答えられるだろうか。
「特に何も。ゲームや動画視聴くらいかな」 「何をしていたかよく覚えていない」 なんて場合は注意が必要だ。
せっかくの休暇を「不明時間(*1)」 にするなんてもったいない。
じっくり体を休めていたわけでも、活動的になっていたわけでもない、文字通り「時間(=命)の無駄遣い」 をしていた可能性が高いから。
そういったケースのほとんどが、スマホを筆頭とするネット接続したスクリーンデバイスによって、脳がハッキングされているからだ。
忘れがちだが、ケータイ電波をはじめとするインターネット網が地球を覆い尽くして「常時オンライン状態」になってから実はそんなに経っていない。
長い人類史において、ネットの普及は「数秒前 (*2)」の出来事。 常時接続できることで、「それ以前はどう生きていたか」を思い出せないほど利便性は高まったが、高速ネット網がもたらす「情報ノイズ爆撃」によって平穏な時間が奪われ、生活が侵食されるようになってしまった。
そんな情報ノイズ社会に生きるぼくたちに必要なのが「デジタルデトックス術」だ。
この言葉が示す通り、意図的にネットを遮断して過剰な情報ノイ ズをデトックス(解毒)する行為のこと。 別名「ドーパミン・ファスティング」とも呼ばれる。
ここからお伝えするのは、「スクリーンデバイスとネットから距離を置く方法」であり、「適切な脳の休ませ方」。その目的は「肉体疲労の軽減」にある。
冒頭で「週末」に関しての問いかけをしたが——念のために言って おくと「溜まった疲れを取るべくゆっくり休んだ」と即答できたなら、それは「命の無駄遣い」にはならない。
正当な時間の使い方であり、一つの効果的な時間の活用法だ。
ただし、たとえベッドやソファーで横になってのんびり過ごしたとしても、常時オンライン状態のスマホを使ったり、スクリーンデバイスを眼にしている限り脳は休めない。
スクリーンデバイスの「ただ画面を見ているだけ」とはいえ、脳は、広大なネット世界から送られてくる情報ノイズの嵐にさらされる。ドーパミン(興奮ホルモン)が過剰分泌して、交感神経優位(緊張モード)になり、意識が奪われてしまう。
たとえ寝転んでいても、リラックスしようとしても、脳は休めない。
ベッドで長時間スマホを使った後に立ち上がろうとしたら、「頭と体が重い……」という経験は誰もがしたことがあるだろう。その原因はここにあったのだ。
だが、視点を変えれば「脳をしっかり休ませれば、 肉体疲労を軽くできる」ということ。
ここからはぼくが実践しているデジタルデトックスの技法を具体的に紹介していく。
お試し
2024/12/29 05:38